陰キャの逆襲

あの時の悔しい思いは今でも忘れない。

若さの勢いで、19歳の時には妻のお腹に赤ちゃんがいた私達夫婦。無計画のままに家庭を持ったから、若い頃は貧乏で苦労しました。

その冬どうしても家が寒いからストーブを買おうと電気屋さんに行ったら、ストーブには”遠赤外線”と”近赤外線”っていうのが２種類あるのです。

違いが分からないから店員さんに「どちらがどう違うのですか？」と聞いたら「えっ！？ｗｗｗ」とバカにするような半笑いをされ、まるで「素人は俺の言われるがままに、勧めるものを買ってりゃあいいんだよ」と言わんばかりの接客。

が、そのストーブで体を温めることは出来ても、馬鹿にされた私の心は少しも温まりませんでした😢😢😢あの時、ストーブの前で悔し涙を流しながらボーッと眺めた、赤く滲んだ光を忘れられません。

あの時の店員の顔は覚えてないけれども、あの時、言われるがままだった不憫な19歳の自分に会いにいけるのなら抱きしめて慰めてあげたい。そして伝えてあげたい。

「39歳になったお前は、ちゃんと”遠赤外線”と”近赤外線”の違いが分かる男に成長したよ！！」と。

私は高卒ですが、社会に出たばかりの頃は、世間について知らないことばかりで沢山の失敗をしました。だって学校では習わないことばかりが我が身に問題として降り掛かってくるんだもの。

「こんな大事なことを、どうしてもっと早く教えてくれなかったの？」ということが、身の回りに沢山起きます。

周りの人に聞いても、「田舎者」だと笑われて馬鹿にされるし、嘘をつかれることもあるし、見下すような態度を取る人もいるし。

知らないことを教えてほしいから素直に聞いているだけなのに、世間はあの時の電気屋の店員のように、鼻で笑うばかりで教えてくれない。

恥を承知で、馬鹿にされることも甘んじて受け入れて質問してみても、その答えが見当違いの大間違いだったりした時には「お前も知らないのに笑って馬鹿にしてただけかい！」と怒りが込み上げてきます。

私が社会人に成りたてだった2000年代頃はインターネットもそんなに浸透していなくて、身の回りに情報が少なかったのです。

その少ない情報もネットじゃなくて人が握っていたから、私のようにコミュニケーション障害で人と交わるのが苦手だった人間にとったらどんなに生き辛かったか。

情報を持っている奴に「嫌だ、お前には教えてあげないよ〜」って言われがちだった。そんなこと言う奴に限って大体、掃除もせずに働きもせずにサボって話をしたり遊んでいたりするし、それなのに女子にモテてたりするし。

私なんてちゃんと掃き掃除をして雑巾がけもしているのに女子にはモテねぇし。真面目に生きてバカを見ているようで、世の中の不条理を嘆いていた。

まぁ女子にモテなかったのは、嫌な奴に対して怨念に似たような気持ちを持つ心意気が、周囲から見て気持ち悪かったんだということが、今は分かるようになりましたけどね。

義務教育の学校の意義は、多分「人の間で生きていくためのコミュニケーションを学ぶ場所」という感じでしょう。

社会適応者達なら、そんなこと言われるまでもなく、なんとなく肌感覚で学んでいくのでしょうが、私のようなコミュ障の不器用人間にとったら、言われないと分からないし気付かないのです。

何とか今日まで生きてきましたけども…。

日本の多くの子ども達がこれに似たような状態で社会に出ることが多いのではないでしょうか。「教わるんじゃない、見て学べ」みたいな。「昭和か！」って。昭和生まれですけども…。

私は自分自身が

だったので、同じ悩みを持った人達の気持ちが痛いほどよく分かります。

今はネットで簡単に情報が手に入る本当にいい時代になりました。知らないことがあっても自分で調べて勉強し放題です。

陰キャは、ダメ人間なんかじゃない。知らないことだから出来なかっただけだ！教えてもらえれば分かるし、出来るようになるんだ！

だって陰キャって、根が真面目な努力型人間なんだから👍